大切な動物の為に、安楽死、尊厳死を選択したあなたに。大丈夫です。それでよかった。って伝えたい。

大切な愛する我が子のような動物の為に、

安楽死尊厳死を選択した人は、

その子が亡くなった後も、ひどく自分を責めたり、

葛藤をくりかえす事が多いと思うんです。

でもね、

大丈夫です。それでよかった。って伝えたい。

 

 

実際、安楽死を選択した患者さんも、

「これでよかったのか」

「これが正しい選択だったのか」

「もっとなんとかする方法があったんじゃないか」

などと思い悩まれ、相談を受ける事がとても多い。

私もそうだったので。

 

でも、

いろいろな処置を精一杯やっても、治る見込みがなくて、

処置をしても半日もしないで、元の苦しい状態に戻ってしまう。

そのままでも、あと数日持つかわからない。

ごはんもまともに口にできず、

もうこれ以上、がんばらなくていいと思えて、

この苦しみから、一刻も早く解放してあげたい。

 

その状況で、あなたが大切な子の為に選んだ事ならば、

きっとその子は、全てを理解してくれているんです。

 

 

安楽死尊厳死についてはいろいろな意見があって、

私が自分の愛犬の命を絶った事を

正当化しようとしていると思われるならそれまでだけど、

でも、自分が大事に大事に育ててきて、

自分が主治医として、治療して来た子。

そんな簡単な選択な訳はなく、

もうどうしようもない状態になったから、

気が狂いそうになりながら、選択したのです。

 

自分の大切な子を、自分の手で旅立たせるなんて、

普通の神経じゃ、正直できないと思います。

でもね、本当に本当に苦しんでいて、

もうどうやっても、どんなに手を尽くしても、

苦しみから解放してあげる事が、出来ない。

 

そんな状態に、

自分のかけがえのない、大切な存在がなったとしたら、

あなたはどういう選択をしますか…?

 

 

そんな人生の岐路に立った時、

とんでもない重圧が、あなたを襲うでしょう。

こうしてここ3日、死について改めて向き合い書いていると、

今でも自分の愛する子がここにいるかのように、

あの日の事をひとつ残らず

すべて思い出す事ができる。

 

たくさんの死に向き合った私でさえ、

自分の愛犬の事を思い出すだけで、

今でもえぐられるような痛みを覚えるんです。

 

だから、きっとそれを選択した、

選択せざるを得なかったあなたは、

本当に苦しい日々を過ごされていらっしゃるのではないかと。

これは、経験した人にしか、絶対にわからない。

 

 

私は、この子の為だったら、なんでも出来た。

可愛くて可愛くて、もう、何よりも大切だった。

獣医になって、主治医になって、

この子を誰よりも近くで見て来た。

この子を自分の手で旅立たせる日が来るなんて、

まったく思いもしなかった。

でも、これが最善の方法だって思えた時、

最期の瞬間、

あなたは確かに、「ありがとう」って伝えてくれたの。

 

 

今も苦しい思いをしていらっしゃるあなたに、

未だに思い出してつらくなってしまうあなたに、

心から、大丈夫です。

それでよかった。

それが最善の選択だったから。って伝えたい。

もちろん、自分にも、ね。